|
「よい加減」
最近、ありがたいことに、たくさんの仕事をいただくようになった。たくさんすぎて、アップアップ状態が続く。
もちろん、公演のような表の仕事だけではなく、裏方の仕事もたくさん抱えている。経営者としての仕事もある。だから、時間的な余裕がほとんどない。
それでも、1回1回の公演に全精力を傾けている。 そうなると、今までになかった現象が起き始めた。
子どもたちに絵本を読む時間がワクワクしなくなったのだ。
これは、何かがおかしいぞ。
そんな折、あるお寺の70歳の方丈さんと出会った。
ぼくとトークをする予定だった。打ち合わせを兼ねて挨拶に行くと、方丈さんはこう言った。
「あんたが、来てくれたんなら、夜は焼酎の方がええかなあ。」
飲むことの打ち合わせが中心になった。
そして、ぼくとのトークが始まる寸前、「わし、もう朝から汗でズクズクや。風呂入ってくるわ。」と。
結局、ぼくひとりでやった。不思議と方丈さんには腹も立たなかった。
夜、方丈さんを囲んで、スタッフの人たちと厨房で飲んだ。方丈さんはじめ、みんな目いっぱい飲んだ。
スタッフのひとりが飲み潰れて、朝、方丈さんに謝った。
「すいません! 昨夜は途中から記憶がありません!」
すると、方丈さんはこう言った。
「ワッハッハ。わしもじゃ」
お見事! 方丈さんのいい加減さは、とってもよい加減なのだ。
そして、こんな言葉が思い浮かんだ。
101%以上の力を出すと、無理が生じる。
100%の力を出そうとすると、ひずみが生じる。
結果的に100%の力が出ていた、というのがいいなあ。
方丈さんのおかげで、再び“夢中”の日々をすごせている。
(2008年8月16日)
|