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「子どもたちのおかげ」

忙しい。本当に忙しい。分刻みで動いているからセカセカしている。
公演活動と、保育園や幼稚園への絵本の配達の両方をやっているから、特に忙しい。
ざっと、ぼくの一日を紹介すると、朝、真っ暗なうちに家を出る。車で現場に移動。保育園や幼稚園に、早番の先生方が来られるや否や、絵本の配達、開始。
午前10時頃には、公演が始まるときが多いので、逆算して、ギリギリまで配達業務をしてから、会場に移動。
公演終了後、引き続き、配達業務。午後の公演が入っているときもある。またまた時間を逆算して、ギリギリまで配達業務をしてから会場に移動。
午後の公演終了後、保育園が終了する、夜6時か7時くらいまで配達業務。
その後、事務所に戻ってから、その日の注文の整理、お金の計算、明日の荷物の仕分けをして、伝票を切る。あっという間に夜の11時近い。それでも、やることはまだ山積み。もちろん、休日もない。昼休みもない。
常識の範囲で考えれば、この忙しさに埋没してもおかしくない。もっと効率を考えないといけないかもしれない。
ところが、今のところ、比較的、心は平静だ。むしろ、次の事業の構想を考えているとワクワクする余裕もある。
これ、実は、子どもたちのおかげなんだな。
公演で、子どもたちに絵本を読むときはもちろん、配達中に、子どもたちに出会ったときも、なぜか、時間の流れが変わる。なぜか、ふと、子どもたちの言動に魅かれてしまう。
先日は、クリスマス会が終わった子たちが、園庭でトナカイの角をつけたまま遊んでいた。「あっ、しんちゃんが来た! あのなあ、みんなでトナカイの歌を歌ってんで」と。ぼくは、「トナカイは人間の言葉はしゃべらんのやで。トナカイ語でしゃべらな」と言うと、言葉に詰まった子から出たのは「トトト、トナ、トナ〜」。
あるいは、「あのねえ、あたし、しんちゃんのことちゅき」と言ってくれる子も。
こういう、子どもたちの思いもよらない反応が、ぼくは大好きなんだな。
そんな子どもたちは、ぼくに、
「しんちゃん、忙しさの渦に巻き込まれたらあかんで」と言いながら、ぼくの手をつかんで、渦から引きずりあげてくれているような気がする。子どもたちに救助されたんだな。
さらに、こういう声も聞こえるときがある。
「あのなあ、ぼくら、大事なものをもってるんやで」と。そっちをいくら探しても大事なものはないよ。大事なものはこっちにあるんだよ、と言ってくれているよう。
年の瀬の忙しいこの時期ほど、子どもたちの言動に、心を向けてみたらどうだろう。
大事なものが見えるかもね。
(2006年12月23日)
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